はじめに:あなたの周りにも届いていませんか?

「1口10万円で月利5%」「LINEグループに招待するよ」「有名人もやってる」——

こんなメッセージや広告、最近目にしませんでしたか?

実は2025年、SNSを使った投資詐欺などの被害総額が3,257億円に達しました。前の年と比べると約1.6倍です(金融庁マネロン対策レポート2026年7月公表、詐欺全体を対象にした集計)。

さらに警察庁が2026年2月に発表した資料では、「SNSで知り合った相手からの投資話・恋愛感情の悪用がきっかけになった詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺)」だけに絞ると、2025年の被害額は約1,827億円。前年比で2倍超にまで急増しています(出典: 警察庁公表資料、2026年2月・時事通信配信)。

数字の見方にご注意ください 金融庁の3,257億円は詐欺全体を含む広い集計、警察庁の1,827億円は「SNSでのやり取りが発端の投資・ロマンス詐欺」に絞った集計で、対象範囲が異なります。単純な比較や合算はできませんが、どちらの切り口で見ても「SNS発の詐欺」が前年より急拡大していることは共通しています。

被害者の多くは「まさか自分が引っかかるとは」と感じていた、ごく普通の会社員や共働き世帯の方々です。

この記事では、

  • なぜ投資詐欺が急増しているのか
  • 本物の資産形成との見分け方
  • そして「信頼できるお金の相談先」をどう選べばいいのか

をわかりやすくまとめます。


SNS型投資詐欺が急増している3つの理由

1. SNSが「信頼のツール」になっている

昔の詐欺は「知らない番号から電話が来る」パターンが主流でした。いまは違います。

インスタグラムやLINE、Xで実在の有名人になりすますアカウントが急増しています。見た目は本物そっくりで、フォロワーも大量に購入されているため、騙されやすいのです。

警察庁の発表(2026年2月)によると、こうした手口の入り口としてYouTube経由で被害者と接点を持つケースが2026年に入り前年比で約2,000%増という急増ぶりを見せています。動画で「実績」を見せられると、より信じ込みやすくなるのです。

さらに2026年は、ディープフェイク動画やAI音声で本人そっくりに"喋らせる"著名人なりすましが一段と巧妙化。YouTubeやSNS広告をきっかけに、そのままLINEグループへ誘導されるケースも後を絶ちません。

「芸能人が紹介してるなら安心」——この感覚が狙われています。

2. 「少額から」「副業感覚で」というハードルの低さ

「1万円から試せる」「副業にどうですか?」という入り口で近づいてきます。

最初は実際に小さな利益が出ることも。これは「最初は儲けさせて安心させる」という巧妙な罠です。小さな成功体験であなたを信頼させたうえで、徐々に大きな金額を投じさせるよう誘導されます。

3. 「難しい話」に見せることで質問させない

「仮想通貨」「AI投資システム」「海外ファンド」——こういった言葉でわざと複雑に見せ、「詳しくないから聞けない」という状況を作ります。

本物の資産形成の話は、もっとシンプルです。


本物の資産形成との見分け方:3つのチェック

詐欺と本物の違いは、じつはシンプルな3点で見分けられます。

  • ①「元本保証」「高配当保証」は存在しない 正規の金融商品は、元本保証と高い利回りを同時に約束できません(法律で禁止されています)。「絶対儲かる」「元本保証で年利10%」——どちらかが謳われていたら、まず疑いましょう。

  • ②「今すぐ決断して」は危険なサイン 「今日中に入金しないと枠がなくなる」「期間限定です」——急かす言葉は、あなたに冷静に考える時間を与えないための手口です。本物の資産形成に「今すぐでないとダメ」という局面はほとんどありません。

  • ③ 金融庁の登録業者かどうかを確認する 正規の証券会社や投資顧問業者は、金融庁の「登録業者情報検索サービス(FINET)」に登録されています。SNSで紹介された業者名を検索して、見つからなければ無登録業者です。

本物の資産形成詐欺の典型パターン
元本割れリスクを説明する「元本保証」「絶対儲かる」と断言する
考える時間をくれる「今すぐ」「期間限定」と急かす
金融庁登録業者であるFINET検索でヒットしない

「詐欺が怖い」からこそ、正しいお金の話を学ぶ場所が必要

詐欺が怖いから、資産形成の話を避けてしまう——そういう方も増えています。でも、その結果として「お金が増えない・守れない」状況が続くのも困ります。

ここで役立つのが、中立な立場のファイナンシャルプランナー(FP)への相談です。

FPには2種類あります。

種別報酬の仕組み
無料FP(保険代理店・銀行系)金融商品の販売手数料が収入源
有料独立系FP相談料のみが収入源(商品販売なし)

有料独立系FPは、「保険を売りたい」「投資信託を勧めたい」という動機がありません。だから、あなたの状況に合った中立なアドバイスができます。

「どんな金融商品を選べばいいか」ではなく「まず私の家計をどうすればいいか」を聞ける、数少ない場所です。


怪しいと思ったら、まず試す3つの即時アクション

「もしかして詐欺かも」と感じた瞬間に、次の3つをすぐ実行してください。

  • ① その場で入金・送金しない — どんなに急かされても、いったん手を止める
  • ② 金融庁のFINET(登録業者情報検索サービス)で業者名を検索する — 登録がなければ、それだけで危険信号
  • ③ ひとりで判断せず、家族か警察相談窓口(#9110)・消費者ホットライン(188)に相談する

この3つを実行するだけで、被害の多くは防げます。


まとめ:投資詐欺から身を守る最強の方法は「正しい知識を持つこと」

  • 詐欺全体の被害は3,257億円(前年比1.6倍・金融庁)、SNSでのやり取りが発端の投資・ロマンス詐欺に絞っても1,827億円・前年比2倍超(警察庁)と、どちらの切り口でも急増中
  • 「元本保証×高配当」「今すぐ決断して」は詐欺のサイン
  • 金融庁のFINETで登録業者か確認する習慣をつける
  • 中立なアドバイスが欲しいときは、有料独立系FPへの相談が有効

お金のことを正しく理解しておくことが、詐欺から身を守る一番の盾になります。

「何から始めればいいかわからない」と感じているなら、まずFPに話してみるだけでも、見える景色が変わるかもしれません。


本記事の内容は2026年7月時点の情報に基づいています。金融商品への投資は元本割れのリスクがあります。意思決定の際は必ず公式情報源や専門家にご確認ください。