「実家の父や母のところに、日本年金機構から見慣れない封書が届いた」——2026年9月から、そんな声を聞くことが増えています。年に一度、年金生活者支援給付金の「請求はがき」が対象者に一斉に送られる時期だからです。

「またはがきが来た、面倒だから後で」と後回しにすると、実は数万円単位の給付金を受け取れなくなる可能性があります。この記事では、年金生活者支援給付金の対象者・支給額と、絶対に押さえておきたい請求期限を、FPの視点で整理します。

年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金は、年金収入や所得が一定基準以下の年金受給者に、年金に上乗せして支給される公的な給付金です。対象は次の3種類です。

  • 老齢年金受給者:前年の年金収入とその他所得の合計が概ね93万円以下(基準額は924,100円〜926,500円で、市町村ごとにわずかに異なります)
  • 障害基礎年金受給者:前年の所得が約492万円以下(扶養親族の数に応じて基準額が上がります)
  • 遺族基礎年金受給者:障害基礎年金と同様の所得基準

支給額は次のとおりです。

  • 老齢年金:月額基準額5,620円をもとに、保険料納付済期間などに応じて算出
  • 障害年金(2級)・遺族年金:月額5,620円
  • 障害年金(1級):月額7,025円

一度認定されれば、翌年以降も所得基準を満たす限り継続して支給されます。「毎年申請しないといけない」わけではない点は安心材料です。

はがきを出し忘れると、遡って受け取れない

もっとも注意したいのが「請求のタイミング」です。年金生活者支援給付金は、原則として手続きをした月の翌月分から支給が始まります。過去分をまとめて受け取れるわけではありません。

新たに基礎年金を受け取る権利を得た方は例外で、受給権を得てから3ヵ月以内に請求すれば遡って支給されますが、3ヵ月を過ぎると同様に翌月分からになります。

2026年9月以降に送られてくる請求はがきについては、期限までに手続きをすれば2026年10月分から遡って支給対象になりますが、期限(2027年1月4日)を過ぎてしまうと、それより前の月分は受け取れなくなります。提出期限を過ぎても手続き自体は可能ですが、遅れた分だけ受け取れる金額が減る仕組みだと理解しておきましょう。

手続きは3ヵ所の記入だけ、電子申請も可能

請求手続き自体はシンプルです。封筒に同封されたはがきに3ヵ所記入して返送するだけで完了します。

紙のはがきが手元になくても、マイナンバーカードがあればマイナポータル経由で電子申請できます。マイナポータルの「おかね」→「年金」→「老齢年金の受給」から届書を作成する画面に進んで電子申請すれば、紙のはがきの提出は不要です。パソコン・スマートフォンのどちらからでも操作できます。

家族に高齢の年金受給者がいる方へ

年金生活者支援給付金は、対象者本人が「はがきが来たことに気づかない」「面倒で後回しにする」というケースが少なくありません。特に一人暮らしの高齢の親がいる場合は、次の3点を確認してあげることをおすすめします。

  1. 日本年金機構からの封書・はがきが届いていないか
  2. 届いていた場合、期限までに返送できているか
  3. 紙の返送が難しければ、マイナポータルでの電子申請を代わりに手伝えないか

年金収入だけで暮らすシニア世帯にとって、月数千円の給付金は決して小さな額ではありません。「知らなかった」「忘れていた」で受け取れる給付金を失わないよう、家族での声かけを今のうちにしておきましょう。

まとめ

  • 年金生活者支援給付金は、所得が一定基準以下の年金受給者に上乗せ支給される制度
  • 支給額は月額5,620円〜7,025円程度(年金種別により異なる)
  • 請求は原則「手続きした翌月分から」で、遡って受け取れるのは一部の例外のみ
  • 2026年9月以降に届くはがきは、期限内に返送するかマイナポータルで電子申請を

出典・参考